コハルの食堂日記

¥770

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説明

 『コハルの食堂日記』は、下町の小さな食堂の日々を活き活きと描きながら、その背後に流れる 「平成」という時代の歩みを静かに見つめる一作です。
主人公・米倉春子(六十四歳)は、十八歳のときに秋田の実家を家出同然で飛び出し、「東京に自分の食堂を持つ」という夢ひとつを胸に上京しました。東京での生活の中で夫となる男性・勲と出会い、ついには念願の食堂「味処コハル」を開業。それから三十年以上にわたり、女手ひとつで店を切り盛りし続けてきました。
 本作は、「現代(平成末期~令和初期)の日々の営み」「平成という時代の記憶」、そして春子たちの若き日を描く「昭和」という三つの時間軸が交錯する構成で進みます。食堂に集う人々の何気ない会話や出来事を通して、個人の人生と社会の変化とがゆるやかに重なり合い、ひとつの時代の輪郭が浮かび上がっていきます。
 作者・海凪悠晴は、かねてより「(主に)近現代の文化史」や「レトロ(懐古趣味)」に関心を持ち続けてきました。本作は、二〇一九年の「平成」から「令和」への改元という節目を契機に、「平成」という時代を振り返りつつ、また改めて見つめ直したいという思いから生まれた作品です。
 ある読者にとっては懐かしく、またある読者にとっては新鮮に映るであろう数々の情景。昭和から平成、そして令和へ――三つの時代を静かに橋渡しする物語として、『コハルの食堂日記』を是非お楽しみください。(海凪悠晴)

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