はっちゃんがゆく

¥ 400

文庫判96ページ

説明

 元、お笑い芸人で、あのイチローよりも有名だったという鈴木ハチロー。
 ちょっとしたことで、重篤な精神疾患(双極性障害)にかかり、妻も仕事も一度に失い、ドミノ倒し的に転落していく。
 何もかも失ったハチローは、何もないところでもがくが、何をしてもうまくいかない。
 そんな中で、恋愛をしたり、仕事に挑戦したり、奮闘する有様は、まるでお笑い芸人だった頃そのままに、面白おかしくて滑稽だ。
 少し、この物語には、賛否両論を生むであろう、クスリについての作者の考察や、精神病院、精神科についての、独自の考察があることを、ご了承いただきたい。
 しかし基本的には、ストーリー勝負の作品であり、一人の強烈な個性を持つ男の、七転び八起きの人生模様、数奇で皮肉な運命を、面白おかしく綴っている。
 そしてまた、人間模様も。どこか乾いた性格の、しかし優しさも程よくある、愉快な仲間たちに支えられ、現実を直視する機会を得、立ち直りを図っていくかわいいハチローの姿は、かつて大勢から愛されていた者としての特質なのか、どんなに憎たらしく振る舞っても、誰も憎めないのではなかろうか。
 ラノベのような軽いタッチで重いテーマを描いた、ドタバタ純文学。異色の小説世界。
 読後感としてはどのようなものになるかは、読者のみなさまそれぞれだになると思うが、狙ったのは、心温まるヒューマンストーリー。

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